繭細工のサルとイノシシ。もう20年くらい一緒にいる。
盛岡で帰りの電車を待っている間、何気なく入った売店に並んでいた。
繭玉に描かれた干支の斬新なデザインに一目ぼれ。しかも手描きらしく、一つ一つ目つきも違う。
「顔が赤いから一応サルだとわかるけど、グレーのサルっているのか?黒いのは耳?
イノシシは繭玉に棒を差して鼻と牙に。さらに繭を傾けてあるのは”猪突猛進”感を出すためか。」
色々考えているうちに、あーもう、発車時刻。悩みに悩んだ末、2つ選んでホームへ走った。
繭の中に重りが入っていて、転がっても起き上がる「オキアガリコボシ」。
落としても何事もなかったかのように、表情ひとつ変えずひょいっと起き上がるその姿に幾度となく励まされてきたような気がする。
たくさん転げて今は傷だらけだけれど、味が出てきたように感じるのは、繭という自然のものだからかもしれない。
最近ふと検索したところ、見つけてしまった。
村田民芸さんという盛岡の工房だった。不思議な耳のついたおサルさんも勢いのあるイノシシも、私が手に入れた当時とまったく同じデザインで作り続けられていたのだ!
今も手に入ると知ってしまい、十二支を全部大人買いしてしまいそう。