
2025年4月に建築基準法が改正され、大規模模様替えや大規模修繕、いわゆるリノベーションは新築や増築と同じように、建築確認申請が必要となりました。
申請なしで工事をした場合、建て主も施工者も罰金か拘禁刑が与えられることになり、工事もストップとなります。
ただし、「大規模」でなければ、これまで通り建築確認申請は必要ありません。でも、どこまで手を入れると「大規模」になるのか判断が難しいという声が多く聞かれます。
法令では、「主要構造部の一種以上について行う過半の模様替えや修繕」が「大規模」に当たるとしているのですが、「主要構造部」とはどこを指しているのでしょうか。
主要構造部:壁、柱、床、梁、屋根、階段
※ただし、間仕切壁(構造上重要でないもの)、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床、回り舞台の床、小梁、庇、局部的な階段、屋外階段は除く
「過半」というのは、「50%を超える」という意味なので、例えば、家の柱が100本あったとすると、50本入れ替えても「大規模」にはならず、51本目から「大規模」になります。
壁は外装材と内装材でできているのですが、スケルトン、つまりすべて取り除いてしまうと、「大規模」に。ただし、外装材だけ、又は内装材だけというように、どちらかだけをすべて取り除いた場合は「大規模」にならない、とされています。ただし外装材の下地にある構造用合板などを取り除くと「大規模」になるなど、建物の構造によって細かく判断が分かれています。

床の場合、「最下階」つまり1階の床はカウントされないので、1階の床がふかふかしていて、傷んでいる下地からやり直したとしても、「大規模」にはなりません。
注意が必要なのは、屋根と階段です。
屋根は例えば瓦葺きなら、瓦、防水シート、野地板、垂木、母屋などでできています。
瓦と防水シートまでなら、すべて取り除いて交換しても「大規模」にはならないのですが、
「野地板」や「垂木」は50%を超えて交換すると「大規模」になるというのです。
耐震工事などでは、屋根の「野地板」や「垂木」を強いものに交換することで耐震性を上げることがあるのですが、これは「大規模」になりますので、確認申請が必要となります。

今ある屋根の上に別の屋根材を載せる「カバ―工法」の場合は、「大規模」にならないというのもおかしな話だと思います。今よりも屋根が重くなるということは、耐震性が落ちるのは明らかなのに、誰もそれを確認しないまま工事ができてしまうという問題があると思います。また、「カバー工法」をする場合は、すでに雨漏りなどで下地の板が腐っていることも考えられるので、下地のチェックは必須です。
一番やっかいだなと思われるのは、階段です。
階段の「過半」といわれてもピンとこないかもしれませんが、例えば、14段あるとして7段は撤去して作り替えても「大規模」にはならないということのようです。
でも、階段ってそんな直し方しませんよね。例えば、昔の家は階段が急なので緩くしたいという場合、「じゃあ7段目まで緩くしましょうか」というのはしませんし、かえって危険です。
今ある階段の踏み板の上に新しい板を載せるならいいよ、といった事例を国は出しています。
でもこれでは階段を緩くするのが難しい!
「階段がきつくて2階に上がれなくなった」という住み手の声をよく伺います。
他は何も手を付けないのに、階段を緩くするだけで確認申請が必要となれば、工事そのものを断念することになりかねないのでは、と危惧しています。
これを緩和してもらえると、より長く住み続けられるのにと思います。国土交通省でもきっといろいろ検討しているのかと思いますので、今後改善されることを強く強く期待しています!
今回の改正、本当に判断が難しいことが非常に多いので、手続きも工事も進まず困っている建て主さんも施工者さんも多いのではないでしょうか。
手を入れればまだまだ活かせる空き家がたくさんあるのに、工事の手前でつまづいている、そんなことのないようベストな道を見つけていきましょう。
