家を作ったり、リノベーションするときに、どんな間取りにするかが一番のテーマになりますよね。
建築士としては、ここが腕の見せドコロ!なのかもしれませんが、実は、私がそれ以上に気になるのは間取りではなくて、「窓から見える景色」。
「景色」といっても「太平洋が一望できる」とか、「夕暮れの富士が目の前に。」とかいうような雄大な話じゃなくて、窓先30㎝から2,3mの世界のお話しです。
こちらの写真は、私が店長をしていた、東京・国立市の「レインファーム自然建材店」。
軒先に揺れる真っ白いハゴロモジャスミン、地面にはローズマリー、ミント、キリンソウ。
軒の上には黄緑色のセダムたちがすくすくと育っていました。
自慢みたいですが、キヨシローさんの歌とともにセブンイレブンのCMでも登場しました。(笑)
ロケハンに来た人が「緑と窓辺の雰囲気がいい!」と気に入ってくれたようです。
でもよーく見ると、この緑って、外壁から30㎝のわずかな土に植えただけ。
外壁も、冷静に見るとただの「モルタル吹付け」、しかも結構ボロい!
実は、当時予算が足りなくて、外装まで手が回らず、苦肉の策で緑を植えてカモフラージュしたもの。
でも、数年で「いい雰囲気ですね」「気持ちいい」と来る人に喜んでもらえる窓辺になりました。
そんな体験もあって、どんな立地でも、ちょっとした植物をレイアウトするだけで、居心地のいい場所になれると思うようになりました。
最初の写真は自宅の部屋から見た景色です。昭和のままの和室の縁側ですが、窓からの眺めが気に入っています。