そもそも漆喰って?その1

中国語でシークアイ。
これを当て字で漆喰(しっくい)と書いたとも言われ、
万里の長城にも使われたとっても古い建築材料です。

原料はとってもシンプル。
焼いた石灰+砂+海藻+麻
中国では、海藻ではなく、膠だったりしたようです。
日本では、山から採れる石灰石のほか、貝殻を焼いた「貝灰」の漆喰も使われてきました。
石灰石=炭酸カルシウムを焼いて生石灰にしてから、少量水を加えると高熱を出しながら、消石灰になります。消石灰は空気中の炭酸ガスと反応して少しずつ固まっていき、
最後には再び炭酸カルシウムになってカチカチに固まります。
石灰を焼く: CaCO₃→CaO(生石灰)+CO₂
生石灰に少し水を加える: CaO+水→Ca(OH)₂(消石灰)
壁に塗る: Ca(OH)₂+空気中のCO₂→CaCO₃

何となく、理科の実験で見たような化学式ですよね。
よく、駅弁で底に水を入れると熱くなるの、ありますよね。それと同じ原理です。

海藻を「糊」と左官屋さんは言いますが、上の反応でわかりますように、消石灰は接着剤なしで「石」のように固まる性質があります。

では、どうして海藻糊を入れるのかいうと、消石灰に水を加えて練ると、コテで扱いにくく、塗りにくいので、海藻を煮たフノリを混ぜることでコテ滑りがよくなって、平らに塗ることができるのだそうです。

私は石灰も貝灰も使いますが、印象としては貝灰は光の反射が柔らかく、色も真っ白というよりアイボリー。
欧州の漆喰も何種類か試しに塗ったりしましたが、日本のものと比べて、粒子が荒い感じがします。粒子が荒いと、私たちがイメージする滑らかな白壁とはちょっと違ってきますが、ざっくりとした感じが好きな方にはおすすめです。
また、粒が荒いことで、漆喰の欠点であるヒビが分散して、目立たなくなる利点もあると思います。