世の中でたくさんのペンキが使われています。
家づくりでは、ドア、床板、外壁、屋根など、たくさんの塗料が使われますが、
そのほとんどが石油から作られた「合成樹脂」入りの塗料です。
ウレタン、アクリル、メラミンという名前で、聞いたことがあると思います。
少し前までは、耐久性能がよいのと、早く乾くということで、建築の分野では
油性塗料が主流でした。
トルエンやキシレンといった有機溶剤が1缶の半分くらい入っている塗料のことです。
けれども、発がん性のほか、揮発性化学物質によるシックハウス症候群などが問題になった後は、有機溶剤を使わない、水性塗料が安全と言われ、今では主流となってきています。
「水性塗料は安全で、水に流してもいい」と思っている人が多いかもしれませんが、
そうではありません。
油性でも水性でも「合成樹脂」入りの塗料であることに変わりないのです。
石油から作られた合成樹脂を有機溶剤(油)で溶くか、水で溶くかの違いだけ。
ただ、有機溶剤の持つ強烈な刺激臭がない分、水性のほうが刺激が少ないので、
どちらかと言えば、水性を選ぶことになりがちです。
でも、第三の選択肢があります。自然由来の原料を使った「自然塗料」です。
自然塗料にも油性と水性があります。
油性塗料は、木材に使えます。本物の樹脂(松脂)や植物オイルを原料にした塗料をお勧めします。
水性塗料は、合成樹脂ではなくて、粘土や陶土、植物油や松脂、天然ゴムを原料とした自然の水性塗料があります。
塗料はいずれ「剥げて」空気中に発散されますので、乾いたから大丈夫ということはありません。特に室内に使うものは、原料を確認してみてください。