直径27ミリほどの小さくて丸いモザイクタイル。
オザワタイルワークスの製品です。
築40年近い民家のお風呂場の床も同じモザイクタイルでした。
昔から変わらないのに、飽きないのが不思議です。
よく見ると1つ1つ色むらがあって、味わい深い。
「窯変」といって、焼くときの温度むらによっておこる微妙な色むら。
タイルって、炎の作品なんだなーと感じます。
大手メーカーのタイルも昔はたくさん面白いものを作っていたのに、
最近はカタログを見て溜息が出るほど、単調なものが多くなりました。
浴室、キッチン、洗面所、外壁などに、必ず使われていたタイル。
でも、ここ数年で一気に、掃除のしやすいパネルやユニット、
サイディングが主流になりました。
「タイルは目地が汚れる」と、決め台詞を言われると、グーの音も出ません。(笑)
私個人は、タイルの持つ焼き物らしい艶や色が大好きなので、
とても残念です。
大量生産中心の生産が続いた中で、「できるだけ均一で精度の高いもの」を求め続けてきたために、焼き物としてのタイルの魅力が見えにくくなってしまったのもタイル激減の原因かもしれません。
また、タイルの流通にも問題があったのだろうと思います。
設計者が施主さんと選んだものを工務店が手配する場合、取引のある問屋に発注しますが、
最低ロットが決められていたり、決まったメーカーでないとダメ、とか制約があって、
ほんのちょっと頼むということが難しかったです。
施主は欲しい、メーカーも売りたい、けど、間に入る人たちが相思相愛の二人を引き裂く・・!なんていう悲劇が起きていました。
今はネットで1シートから買うことができる時代。IT社会には功罪ありますが、
好きなタイルを選べるようになったことは、タイル好きとしては、うれしいです。