変化する家族の居場所
「今は元気だけど、階段がきつくなったら、1階で寝起きするようになるかも」
そんな少し先の将来に備えつつ、今の生活を心地よくしたい。そんなご希望を叶えるため、「変化する間取り」をテーマに設計しました。
限られた広さの土地で、1つの目的に限定した部屋を作ってしまうと、狭く窮屈な空間になりがち。そこで引戸を効果的に使うことで、その時の家族の状況に合わせてリビング空間を変化させる工夫をしました。
引戸をすべて閉めるとリビングの一部が個室に。戸を閉めていても、リビングや個室それぞれに外の光がしっかり入ります。風が抜けるよう、階段に通じる小窓もつけました。
杉の板戸を閉め切ると、リビングにいる家族が夜、明かりをつけていても気にせず個室で休むことができます。この3枚引戸は壁に引き込むとリビングとして広く使えますし、2枚程引くと、小上がり部分を隠すことができるので、ちょっと昼寝したいときにも落ち着いたスペースを作ることができます。
また、将来親御さんが1階で寝起きするようになったときに備え、着替えや介護用品を入れたりできる大型の引き出しを小上がり下に。布団を収納できる押入も用意しました。
それぞれの時間や空間も大切に
家族がそれぞれの時間を過ごせるよう、2階に個室を確保しつつ、家族の一員である愛犬のためのシャワーコーナーも作りました。
また、洋服や本、靴など、持ち物の置き場所がないのがお悩みだったので、玄関から直接入れる大容量のシューズインクロゼットのほか、廊下の壁や屋根裏収納も活用して、持ち物を必要な場所に探しやすく収納できるようプランを立てました。